短期留学プログラム「JGP-GSGESインターナショナルスプリングスクール@京都2016」を実施しました

 2016年2月17日(水)から3月8日(火)にかけて、京都大学において、短期留学プログラム「JGP-GSGESインターナショナルスプリングスクール@京都2016」を行いました。

 

本プログラムは、「スーパーグローバル大学創成支援事業 京都大学ジャパンゲートウェイ(以下JGP)」の環境学分野において、世界各国で先端的な環境学の研究を実施している提携・関係大学と国際共同教育を実施するプログラムの一環として行われました。本プログラムでは、世界のさまざまな地域の学生が京都に集い、多文化・多言語の環境のもと、日本の山、水、海の環境について、講義、フィールドスタディー、実験室での分析などを通じて理解するとともに、環境学の手法を学び取る3週間の短期留学プログラムです。実施にあたり、昨年12月に海外の協定大学の学生ら105名から応募があり、厳正な審査の結果、21名(アジア・アフリカ・欧米の11か国16大学)の修士課程および博士課程の学生が選抜され、プログラムに参加しました。          meeting

第一週(2月17日~2月23日)では、本プログラムのガイダンスと参加者の自己紹介、地球環境学堂(以下学堂)の研究室訪問、琵琶湖でのフィールドスタディーが行われました。ガイダンスでは、藤井滋穂学堂長から学堂の活動紹介と挨拶があり、続いて舟川晋也副学堂長から、本プログラムとJGPの紹介、そして参加者の自己紹介が行われました。研究室訪問では、学堂の13研究室、29名の教員が参加し、各研究室の研究紹介や分析手法の指導、研究分野の講義やセミナーの開催、フィールド視察などを行いました。琵琶湖でのフィールドスタディーでは、滋賀県高島市針江地区を訪れ、昔からの湧水・水路の生活利用と管理について地元の方との対話を通して学ぶとともに、湧水の起源である山間地域の視察を行いました。また、琵琶湖博物館では、琵琶湖の成り立ちや生物、環境について、講師から説明いただくとともに、琵琶湖の生態環境について、葦原復元事業の取り組みを行っている現場視察なども行いました。近江八幡市では、地元のお菓子製造会社を訪れ、品質・サービス向上の取り組みや、地元の農産物の利用、有機農業の実施など、会社の取り組みについて学ぶとともに、湖南中部の下水処理場の見学を行い、排水処理について、施設の案内者と参加学生との間で活発な意見交換が行われました。

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第二週(2月24日~3月1日)では、火山をとりまく環境と現地の生活に関するフィールドスタディーと、大気環境化学の特別講義が実施されました。火山のフィールドスタディーでは、阿蘇山、九重山、雲仙岳を主なフィールドに設定し、地熱発電や温泉利用、火山灰土壌の特性と農地利用といったプラスの側面と、火砕流などの災害に見られるマイナスの側面、そして火山噴火の監視システムや火山の地質的な背景、火山とともに生きる現地の方々の生活など、さまざまな側面からフィールド考察を行いました。また、大気環境化学の特別講義では、京都大学吉田キャンパス周辺でのO3とNOxの測定や、大気中の二次生成粒子の生成過程に関する実験を行いました。これらの結果について、いくつかのグループに分かれて、考察とグループ発表を行いました。また、Christa Fittschen先生(リール第1大学)による「大気中の光化学」の講義も実施されました。

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第三週(3月2日~8日)では、舞鶴での臨海実習と本プログラムの最終発表会が行われました。臨海実習では、舞鶴湾内で乗船実習を行い、湾の水質のモニタリングを行うとともに、底生生物の採集を行いました。集められた生物は、形態分類とDNA解析を行い、形態分類とDNA分析の手法を学ぶとともに、舞鶴湾の底生生物層と海域の水環境についての考察を行いました。最終発表会では、各学生の今後の研究や、本プログラムで関心のあった事柄などについて、より詳しい考察や各国の現状との比較などの発表が行われ、日本の環境と日本の環境技術の捉え方について、さまざまな視座、論点が明らかにされました。

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多文化、多言語、多慣習のもと、学生は、積極的に英語でコミュニケーションを取り、本プログラムの環境学に関連する活動すべてに意欲的に参加していました。また、対話型のフィールド講義は、学生にたくさんの話題や関心を喚起し、参加国の現状などについて議論や再考する機会を与えるとともに、ローカルとグローバルのセンスを築く貴重な時間となりました。予定していたすべての活動は、学堂教員34名(学堂教員の60%超)の温かい協力・尽力もあって、順調に実施されました。

本プログラムは、環境学の入り口にすぎませんが、環境学の最先端に触れ、各社会における難しさを知り、そして環境を捉える上でのグローバル/ローカルのセンスを養うことができ、学生にとって非常に有意義な学びの機会であったと考えられます。今後は、本プログラムで形成されたネットワークを学術分野でさらに広げ、協力や共同研究を通して環境学のさらなる発展につなげていければと期待しています。

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